近年、シアル酸を含むスフィンゴ糖脂質が神経突起伸展など、神経の分化制御に重要な役割を担っていることが明らかにされた。従来、脊椎動物のガングリオシドの生物機能が精力的に進められてきたが、近年、棘皮動物にも多くのガングリオシドが存在し、それらが培養大脳皮質細胞の生存維持作用、神経突起伸展作用を有することが明らかにされた。本研究では、これら棘皮動物由来ガングリオシドを化学的に再構築することにより、これらの活性物質的基盤を与えるとともに、広範な類縁体の合成と評価により、活性発現に必須な構造の抽出、それに基づいたより活性の強い物質の開発を進めた。
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