研究課題/領域番号 |
15K07418
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
矢島 新 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (30328546)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 薬剤耐性 / 天然有機化合物 / 全合成 |
研究実績の概要 |
生物活性を有する広範な天然テトラミン酸誘導体を合成する手法の開発を検討した。不斉ニトロマンニッヒ反応を鍵段階として基本的な反応条件を見いだすことができた。 次にヒスチジンキナーゼWalK阻害活性を有するシグナーマイシン Bの合成について検討した。エバンス不斉アルキル化反応、ジュリアカップリング反応、ブラウン不斉クロチル化反応を鍵段階として、シグナーマイシンBの二環性骨格部位の合成について検討した。その結果、エバンス不斉アルキル化反応によって導入した不斉中心をもとにして、順次分子内ディールス・アルダー反応前駆体にいたるまで基本となる骨格を構築することに成功した。まず最初に基質としてエステル基を有する分子内ディールス・アルダー反応前駆体を用いて環化反応を検討したところ、閉環体は得られるものの、厳しい反応条件が必要であり、分解反応が副反応として進行してしまい、得られた生成物はごく少量にとどまった。さらに、少量ではあるが得られた生成物の立体化学について解析した結果、望みの立体化学ではないことが明らかとなった。現在は分子内ディールス・アルダー反応前駆体の基質となる化合物の官能基や、ヒドロキシ基の保護基について検討している。 イリシコリン類のピリドン環形成反応開発のため、ピリドン形成反応前駆体となる基質の合成について検討した。L-チロシンを出発原料として、テトラミン酸誘導体を合成し、3位をアシル化することで反応前駆体の合成に成功した。開発した手法は大量合成に適した方法であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に従い研究が進行しているものと判断される。
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今後の研究の推進方策 |
初年度は当初の計画通りに進行したため、引き続き各課題について検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品の購入を計画していたが、年度内で購入した物品で研究の遂行が可能であったため、少額の次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度も引き続き順調に研究を遂行し、大きな過不足が無いように計画的に研究費を使用していく。
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