研究課題
ウイルスの RNA 合成酵素が 2’-デオキシヌクレオシドを受け入れることから、 ウイルス RNA 合成酵素の阻害を目的として、 細胞膜透過性の上昇と 5’-O- 一リン酸への効率の良い加水分解を期待して、リボースの 5’位に環状リン酸エステル基を持つ化合物EdAPを分子設計した。 これは EdAP が細胞内に取り込まれた後、 5’-O- 一リン酸への加水分解が起こり速やかに活性型(5’-O- 三リン酸)となることを期待したものである。 本研究は、 EdAP 合成の最適化と活性評価を目的とした。D-Glucoseを出発原料とし、 13 工程で グルコフラノース誘導体へと導いた。これを Silyl-Hilbert-Johnson 反応によりアデニンを導入した後、 6 工程で EdAPを合成した。EdAPの抗ウイルス活性試験を、 培養細胞を用いて評価した。、インフルエンザウイルス、日本脳炎ウイルス、エボラ出血熱ウイルスに活性を示した。 また マウスによる動物試験においても、抗インフルエンザウイルス活性を示した。EdAP は 5’ 位に形成している環状リン酸エステル基の疎水性により細胞膜を透過した後、 細胞内の酵素の働きにより加水分解され、 一リン酸体となった後に三リン酸化体となると予測している。 In vitro活性や細胞内での実際の挙動を調べるため、 三リン酸化体の合成を検討した。既にモノリン酸化体である EdAP に二リン酸を付加する方法が簡易であると考え、 各種検討を行ったが、 目的の化合物を得られなかったため、合成法の再検討を要する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 9件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
J Toxicol Sci.
巻: 41 ページ: 311-319
10.2131/jts.41.311.
J Nat Prod.
巻: 79 ページ: 442-446
10.1021/acs.jnatprod.5b00555.
Sci Rep.
巻: 5 ページ: 15136: 1-13
10.1038/srep15136.
PLoS One.
巻: 10 ページ: e0138902: 1-19
10.1371/journal.pone.0138902.
J Virol.
巻: 89 ページ: 11945-11953
10.1128/JVI.01855-15.
Bioorg Med Chem.
巻: 23 ページ: 6118-6124
10.1016/j.bmc.2015.08.001.
Bioorg Med Chem Lett.
巻: 25 ページ: 4325-4328
10.1016/j.bmcl.2015.07.067.
Mol Ther Oncolytics.
巻: 2 ページ: 15020: 1-11
10.1038/mto.2015.20.
Planta Med
巻: 2015 ページ: 81
10.1055/s-0035-1556282