研究課題/領域番号 |
15K07425
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大荒田 素子 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助教 (40211784)
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研究分担者 |
五ノ井 透 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (30134365) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 食習慣 / 食品添加物 / 腎機能 / インスタント食品 / 炎症 |
研究実績の概要 |
現代人の食習慣が、肝臓の炎症促進とそれに伴う機能不全を介して、糖尿病や感染症の原因になる可能性について検討することを目的とした。近年のライフスタイルの変化(多忙、利便性の向上、生活様式の多様化)は、「欠食・まとめ食い」や「レトルト・インスタント食品の多用」など食生活の乱れを招き、人々の健康を脅かすことが懸念される。 前年度の実験で、「欠食・まとめ食い」により肝臓および白色脂肪細胞で、生活習慣病をはじめとする様々な疾患の因子である炎症反応の誘導と生理機能の変調を確認した。今年度は、「レトルト・インスタント食品の多用」の影響について、肝臓を中心に検討した。食品添加物であるかんすいを加えたエサをマウスに半年間摂取させ、各臓器への影響について調べた。尚、餌に加えたかんすいの量は、ヒトが普段の食生活で摂取する量と同程度とした。また、かんすい添加食のpHが中性であることをあらかじめ確認した。餌の摂取量はコントロール群と差がなかったが、半年間での体重増加率は有意に軽減した。肝臓でもストレス対応関連遺伝子の変動が確認されたが、予想に反して、腎臓でストレス対応因子、生体恒常性や生理機能の維持、炎症反応に関連する遺伝子の発現が影響を受けた。この結果を踏まえて、肝臓のみならず他の臓器への影響も加えて、包括的に疾患との関係を明らかにする必要性が生じた。現在、肝臓に加えて免疫関連臓器など多臓器への影響についても検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乱れた食生活による疾患(糖尿病、感染症)の誘因について明らかにする目的で、「欠食・まとめ食い」に加えて、新たに食品添加物の長期間摂取による生体への影響について検討した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、現代人の乱れた食習慣と疾患との関係を明らかにする目的で、昨年度の実験に加えて新たに 3種類の食品添加物の影響について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
想定よりも物品が安価であったため。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費として使用する。
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