細胞増殖因子様の脂質メディエーター、リゾホスファチジン酸(LPA)作用による非ステロイド性抗炎症薬(NSIADs)潰瘍予防食の開発を目指した。胃内腔液に含まれるLPAは2-3μMであった。この濃度のLPAはヒト胃由来培養細胞MKN74において、2型LPA受容体依存的に、粘膜保護因子のプロスタグランジンE2産生の促進、細胞死抑制、細胞増殖を誘導した。植物素材について調べた結果、ソバやコメの種皮部分やシャクヤク根にはLPAとその前駆体のホスファチジン酸が豊富に含まれることがわかった。これらの素材の脂質抽出液はマウスモデルにおいて抗NSAIDs潰瘍効果を示したことより、潰瘍予防食素材に挙げられる。
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