リゾチームは、炎症状態のマクロファージに対して、MAPキナーゼ経路のうちJNKの活性化抑制により、炎症性サイトカイン(IL-6およびTNF-α)やNO産生を遺伝子発現レベルで抑制することで、抗炎症効果を示すことが明らかになった。一方、MAPキナーゼのうち、ERKおよびP38のリン酸化レベル、さらにNF-kBの核内移行には影響しなかった。また、マクロファージの貪食活性にも影響しないことが明らかになった。生体内における抗炎症効果については、LPS誘導性の全身性炎症症候群モデルマウスに対して、血中の炎症性サイトカインレベルの抑制、脾臓における各炎症性サイトカイン遺伝子発現レベルの抑制効果を認めた。
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