腸内細菌叢が脳梗塞急性期に与える影響とその機序について解析した。糖尿病(db/db)マウスでは正常(db/+)マウスと比較して、便中Enterobacteriaceae菌数、血中Lipopolysaccharide(LPS)濃度、腸管透過性が上昇し、脳梗塞24時間後の運動機能障害および脳梗塞体積も増加していたが、非吸収性抗生物質ポリミキシンB(PL-B)経口投与により、これらは血糖値とは無関係に有意に改善した。また脳梗塞巣のLPS、TLR4、炎症性サイトカインの発現も低下した。腸内細菌叢の異常に伴う高LPS血症が、脳梗塞急性期においてTLR-4を介した炎症を引き起こすことが示唆された。
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