ビタミンE(α-トコフェロール、α-T)吸収の性差発現機構の解析を中心に研究を進めた。まず雄性ホルモンであるテストステロンが消化管からのα-T吸収を低下させることを明らかにした。次に小腸の吸収トランスポーターの解析を行い、Niemann-Pick C1-Like 1 (NPC1L1) 活性が性差の原因でないこと、Scavenger receptor class B type 1 (SR-BI)量がメスで高く、精巣除去により低下することを明らかにした。以上の結果から、テストステロンによる小腸SR-BI量の低下がオスでα-T吸収を低下させ、体内α-T濃度が低くなるという性差発現機構を示した。
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