近年、日本食の健康価値が見直され、国内外からの注目が集まっているが、精神的な効果に対するエビデンスの呈示は遅れている。本研究では、日本食がヒトの気分状態や自律神経活動に及ぼす影響について主観的・客観的の両面から検証し、抗ストレス・抗疲労に有効な日本食デザインのための基盤データ構築を目標とし、研究を行った。日本食に使われる代表的な食材として、合わせだしや生姜、山椒などの薬味、また刺し身などの代表的日本料理が精神状態に及ぼす影響を検証し、それぞれの食材がもつ自律神経への特徴的な効果を明らかにした。特にだしの摂取はストレス状態を緩和し、その効果には香りが強く影響している可能性を見出した。
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