57kDaのグルテリン前駆体(プログルテリン)を多量に蓄積する酒造好適米「華さやか」を材料に、プログルテリンが生体機能に及ぼす効果について酵素処理による酒粕および米のタンパク濃縮物を用いて検討した。in vitroでは脂質吸着性が高く、電気泳動結果からプログルテリンは人工消化液で分解されることが明らかになった。KK-Ayマウスによる実験では酒粕飼料の摂取により腸間膜白色脂肪組織重量が有意に低下し、糞便の脂質排出量は増加した。また、米タンパク濃縮物においては血糖値が有意に低下した。これらの結果から、プログルテリンは体内の脂質の吸着作用を有し、レジスタントプロテイン様作用を示すことが示唆された。
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