研究課題/領域番号 |
15K07456
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
本城 賢一 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00264101)
|
研究分担者 |
宮本 敬久 九州大学, 農学研究院, 教授 (70190816)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 凍結耐性 / レタス / GolS / VPE |
研究実績の概要 |
地球温暖化に基づく異常気象などの問題は将来の世界的な食糧不足を予想させることから、我々はあらゆる解決策について検討し準備し続ける必要がある。食材となる植物の低温耐性向上させることで、栽培段階における環境適応性ならびに収穫後の貯蔵性を高めることは、将来予想させる食糧不足問題の解決策の一つになり得る。本研究では、レタスが低温処理により、凍結耐性をわずかながら向上させることを見出し、その能力を高めることにより、凍結耐性を向上させることを目的として、研究を行っている。すなわち、レタスの低温誘導性遺伝子であり、凍結を含めた低温耐性向上に重要だと推定されるGalactinol synthase (GoS)遺伝子ならびに低温耐性に対して負の働きをすると推定されるVacuolar processing enzyme (VPE)遺伝子に着目し、GolS遺伝子については発現量を高め、VPE遺伝子についてはその発現抑制を改変することで、レタスの凍結耐性ならびに低温貯蔵性を目的とした。前年度にクローニングしたGolS遺伝子のcDNAの構造遺伝子領域を大腸菌用高発現ベクターpColdに組み込み、His-Tagとの融合蛋白質として発現させた。得られた組換え蛋白質をニッケルアフィニティーカラムを用いて精製を行っている。それを利用してin vitroにおけるGolS活性の確認ならびに抗GolSウサギポリクローナル抗体の作製を進めている。さらに、高等植物発現用ベクターpRI101ANへのGolS遺伝子の導入についても同時進行で進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
取得したGolS遺伝子産物が活性を有するか評価するために、大腸菌での発現を進めてきたが、当初用いていたpETベクターとの相性が悪く、発現に時間を要した。GolS遺伝子産物が活性を有するかどうかの確認は非常に重要であるため、この作業は確実に行う必要があった。この問題を解決するために、発現ベクターをpCold ベクターに変更した。その結果、問題なく発現できて研究全体が順調に進み出したので、このペースを維持して研究を進めていきたいと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
下記の(1)~(3)について研究を進めていく。 (1)VPEを大腸菌で発現させ、ポリクローナル抗体を作製する。 (2)GolSを導入したpRI101ANベクターにGolS遺伝子の導入を行い、GolS活性を高めた組換えレタスの作出し、凍結耐性を評価する。 (3)同様にpRI101ANを用いてVPE遺伝子発現を抑えた組換えレタスを作出し、凍結耐性を評価する。
|