我々は、シジミを冷凍するとオルニチンが増加することを見出した。そのメカニズムについては全く分かっていなかったが、1モルのアコルビン(β-Ala-Orn-Orn)が分解されて2モルのオルニチンと1モルのβ-アラニンが生成することを明らかにした。また、その逆反応も起こり、オルニチンとβ-アラニンを基質として、シジミから調製した酵素を作用させたところアコルビンが合成された。このことから、シジミの冷凍によるオルニチンの生成及びその逆反応には酵素が関与していることが分かった。本研究は、シジミの低温応答メカニズムを解明することが、新たな冷凍技術の開発につながるのではないかと考えて実施したものである。
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