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2016 年度 実施状況報告書

リグニンは落葉の生分解を強く規定するか?

研究課題

研究課題/領域番号 15K07468
研究機関北海道大学

研究代表者

幸田 圭一  北海道大学, 農学研究院, 講師 (80322840)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードリター / 葉 / リグニン / 微生物 / 生分解
研究実績の概要

前年度において、予想を超えた気象条件(北海道において秋口の落葉の時期が予想より2~3週間も早まったこと)により、適切な採取時期を見誤ったためほとんど実施できなかったサンプルの収集を、今年度は十分に行うことができた。すなわち、数種の針葉樹と広葉樹の新鮮落葉サンプル(数百 g~1 kg程度)、ならびに木部サンプル(1 kg~5 kg程度)の収集を行った。収集できた樹種は具体的には、トドマツ、アカエゾマツ、ミズナラ、ブナ、シラカンバである。さらに、別の研究で不要となった温室培養のニオイヒバとトドマツ(緑葉ならびに木部)も入手できた。
使用できるサンプルの種類や量が限定的であった今年度秋までの期間は、当初計画とは順番を変え、無理なく遂行可能な課題を優先して進めた。すなわち、当初計画で派生的な課題と位置づけていたミズナラ緑葉の葉脈部分と葉肉部分におけるリグニンの量的・質的な相違をまず明らかにし、続いて、本研究において主武器となるリグニン定量法の再現性について、実験操作者を変えた条件でも検証した。
また、今年度後半(秋口)に採取できたサンプルについては、乾燥、粉砕、溶媒抽出処理など、次の段階に進むために必要な前処理を概ね行なったが、当初、計画していたリグニンの単離や落葉の分解実験を行うところまで到達しておらず、この点で当初計画の遅れを取り戻すには至っていない。
なお、今年度中には共同研究者とともに、本研究課題の土台となった、以前の研究結果を学術論文一報としてまとめた(Miyamoto et al., Microb. Ecol., 2017; DOI:10.1007/s00248-017-0952-8)。当該論文の審査過程で、実験の再現性についても問われたが、この点で今年度の成果を踏まえて回答し、掲載されるに至っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

初年度に予定しながら、予期せぬ気象条件により実施できなかったサンプリングの遅れ(1年間)の影響が大きく、派生的な研究課題については一定の結果を出したものの、中心的な課題に対しては、計画の遅れを取り戻すに至っていない。

今後の研究の推進方策

サンプリングできた落葉や木部については全て前処理を終了させるとともに、可及的速やかに最も基本的となるリグニンの性状分析を、申請者が提案した定量手法により行う。さらに他の分析手法との比較や生分解過程における落葉残渣中のリグニンの分析など、比較的容易に取り組みやすく、成果が期待しやすい研究課題から推進するが、当初計画していたリグニン由来の低分子分解生成物の追跡までは時間的に厳しいため、継続課題とすることを視野に入れている。

次年度使用額が生じた理由

今年度はほぼ計画通り年度予算を執行でき、かつ、前年度未使用金(約10万円)の半分まで消化したが、なお、5万円ほど剰余金が出たため、これを繰越して、次年度予算に余裕を持たせることとした。

次年度使用額の使用計画

次年度(最終年度)には国際学会での発表もあるため経費がかさむと予想されるが、計画通り支出する見込みである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Ligninolytic activity at 0 °C of fungi on oak leaves under snow cover in a mixed forest in Japan2017

    • 著者名/発表者名
      Toshizumi Miyamoto, Keiichi Koda, Arata Kawaguchi, Yasumitsu Uraki
    • 雑誌名

      Microbial Ecology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1007/s00248-017-0952-8

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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