南西諸島の亜熱帯から本州の暖温帯に至る常緑広葉樹林において、落葉の漂白に関わる菌類の多様性、漂白部の化学組成およびその落葉分解にともなう変化、そして落葉漂白菌類の地理的分布を実証した。沖縄本島北部の亜熱帯林における継続観察により8属の菌類が漂白に関与しており、落葉中のリグニンの選択的除去が炭素と窒素のターンオーバーを促進していることを示した。石垣島から佐渡島に至る20地点では計62種の菌類が漂白に関与しており、落葉上の漂白面積率は年平均気温の低下にともなって減少した。以上により、リグニン分解に関与する菌類の多様性と機能の点から、本邦亜熱帯林の土壌分解系について新規性の高い成果が得られた。
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