熱帯樹木はイソプレンというガスを放出して熱や光などの強い環境ストレスに適応していると考えられている。イソプレンは植物にとっては有益であるが、大気中ではメタン分解能力を減少させて地球温暖化を加速するなどの問題も引き起こす可能性が指摘されており、その合成・放出の調節機構を解明することが求められている。本研究は熱帯樹木のオオバイヌビワをモデルとして、温度変化に伴うイソプレン放出と関連遺伝子発現を網羅的に解析し、熱帯樹木のイソプレンの合成・放出制御には数種の植物ホルモンが日内変動関連遺伝子の制御を介して複合的に関与していることを明らかにした。
|