アーバスキュラー菌根性のヒノキ人工林内に、主要広葉樹と共生する外生菌根菌が存在するか、感染源別に調べた。ヒノキ林と広葉樹林の境界域では、ヒノキ側5m程度までは広葉樹側と類似した種構成の外生菌根菌群集が見られ、根外菌糸による影響と見られる。埋土胞子群集は境界から10mまで検出されたが、いずれも境界から離れた場所では外生菌根形成が困難と考えられる。 菌根形成の見られない植栽広葉樹は成長が小さく、特に実生はほぼ全て枯死したことから、菌根形成の可否が広葉樹の生育や実生の生残に影響を及ぼすと思われる。また、外生菌根菌への感染が、根圏におけるバクテリア群集の多様性に影響を与えている可能性が示唆された。
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