地球温暖化の進行とともに渇水による樹木枯死の増加が予測されている。枯死の主要因とされている通水阻害と炭素欠乏について、冷温帯主要造林樹種のカラマツとトドマツを用いて調べた。両樹種ともに、渇水に対して幹よりも針葉の方が通水阻害を起こしやすく、針葉の通水阻害は光合成機能の低下と密接な関係があったが枯死要因ではなかった。急激な土壌乾燥下では幹の通水性が88%損失したときに枯死した。渇水時には樹体内でデンプンから糖への変換が生じたが、デンプンと糖の総量に大きな低下は認められず、炭素欠乏が枯死要因とは考えられなかった。
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