研究課題/領域番号 |
15K07499
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研究機関 | 国立研究開発法人 森林総合研究所 |
研究代表者 |
高橋 與明 国立研究開発法人 森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (90435587)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 航空機LiDAR / レーザ / 衛星画像 / 平均樹高 / 林分材積 / スギ / ヒノキ |
研究実績の概要 |
九州における無償で利用可能な航空機レーザデータとDEMデータを入手し、初年度は特に大容量の航空機レーザデータを効率的に処理・解析できるような状態にすることから始めた。航空機レーザの点群データを効率的に処理して針葉樹林の平均樹高を高精度に推定する一連のプログラムを作成した。このプログラム作成上の着眼点として、県レベルの極めて大容量の航空機レーザデータを点群データのまま処理および解析することの非効率性を懸念し、メッシュ化によって点群データが有する精度をある程度保持しつつデータ容量を減らすことを考えた。試験的に、あるスギ列状間伐林分を対象として、航空機レーザの高密度(約42点/m2)の点群データをメッシュ化することで高さのパーセンタイル値に生じる変化を分析した。その結果、点群データとメッシュデータの間には低いパーセンタイルを除けばプロットレベルの平均立木サイズとは無関係に一定のバイアスが存在することがわかり、そのバイアスは25cmにメッシュ化した場合(元データの容量の1/2.63倍)は20cm~30cm程度、50cmにメッシュ化した場合(元データの容量の1/10.5倍)は40cm~70cm程度であった。この試験結果から、針葉樹林の平均樹高を航空機レーザデータの高さのパーセンタイル値を用いて推定することを想定した場合に、特に25cmのメッシサイズならばバイアスは無視できるほどの大きさとみなせると判断された。この知見をもとに、上述したプログラムは点群データを25cmメッシュにラスター化して処理・解析する手法で作成した。また、DEMデータに関しては、国土地理院刊行の10mメッシュのシームレスなDEMを九州全県について整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大容量のデータを効率的に処理・解析する目処が立ち、おおむね順調に進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画通りに進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ入力等の補助のための人件費として計上していたが、初年度は申請者自身でデータ入力を行い、補助が必要にならなかったため次年度に繰り越すこととなった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度はデータ入力等の作業が多いため、補助が必要になると考えられる。そのため、初年度繰越分を次年度請求分の人件費にあわせて使用する。
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