研究課題
平成29 年度においては,研究の取りまとめを行った。研究期間内で成果の見通しの悪い項目についても,実験的に検討して,当初成果の到達に努めた。まず,水中荷重計のフレーム内の水圧(内圧)開放に関する最終的な検討を行った。内圧の除去のために,フレーム天板に金属フィルターを設置し,フレームに連通管を用いた構造とすることで,内圧開放が実現できることを室内直線水路実験により確認した。この改良構造をもった水中荷重計を京大穂高砂防観測所(研究協力者1)の試験水路に設置し,現地での簡易試験を行ったところ,若干の内圧開放が行われない場合もあったが,全般的に,改良前よりも改善されたデータが取得された。次に,前年度に構築された流砂理論の適用による水流の底面流速と掃流砂流の平均速度の推定等の演繹された理論を用いて流砂量を算出し,水中荷重計の流砂量の計測データに対する相関関係を検討し,水中荷重計を用いた予測値に対する実験係数を求めた。算定された実験係数は砂礫の粒径のみの関数となり,一意的な普遍定数を得るまでには至らないと云う課題が残った。さらに,平成27年度の当初予定では想定していなかった副次的な成果も生まれた。現地計測における荷重計の有用性が明らかとなったため,水中荷重計の製作に適用した知見を用いて,荷重計,加速度計,圧力センサーによる土石流の検知センサー(LVPセンサー)の試作を行い,現地適用性の検証が行えるレベルまで,センサーの検証が進展した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
Earth Surface Processes and Landforms
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https://doi.org/10.1002/esp.4329
Proceedings of the 37th IAHR World Congress, 13-18 August 2017 in Kuala Lumpur, Malaysia
巻: - ページ: 1142-1150
巻: - ページ: 1125-1131
巻: - ページ: 1098-1104