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2016 年度 実施状況報告書

リグニン多糖類複合体分解酵素の植物中での発現による易脱リグニン植物の育種

研究課題

研究課題/領域番号 15K07509
研究機関東京農工大学

研究代表者

川合 伸也  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90202027)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードリグニン / LCC分解酵素 / 糖化性 / エステラーゼ / ヘミセルロース
研究実績の概要

・前年度に得られた形質転換植物の中から選んだ系統の種子(導入した遺伝子の発現が強い系統)を、バイオトロンと隔離温室中で生育させて経時的に一部サンプリングしながら同時に播種して生育させた。最終的に28系統を生育させた。一部の形質転換イネにおいては矮化が生じていた。
・形質転換植物のリグニン組成や含量を化学分析や染色法にて確認した。クラソン・リグニンの定量、酸可溶性リグニンの定量、アセチルブロミド法による定量、ニトロベンゼン酸化法による解析、ガスクロマトグラフィーによるシリンギル:グアイアシル比(S/G)などの解析を行った。その結果、系統によってはリグニン含量やS/Gに変化が生じていた。しかし、以前に行ったリグニン生合成系酵素CCRやCAD抑制イネに比べ、その変化の程度は低くかった。そこで実際にその変化の統計的確実性を増すためと、発現している酵素活性とそれらの変化の間についてサンプル数を増やして統計処理を行っている。また、モイレ染色法、フロログルシン塩酸染色法などの染色法によってシリンギル・リグニンの組織内分布を顕微鏡観察によって比較したところ、変化が生じていた系統が存在しており、化学分析した結果とほぼ一致した。
・形質転換植物の糖化性の変化を調べた。糖化性が上昇している系統があった。
・酵素活性を測定し、その強弱と化学的組成や糖化性との相関性を調べた。その結果、更にサンプル数を増やし検討する必要があるが、正の相関性があると推定された。
・CADやCCRの発現を抑制した形質転換イネと交配して種子を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

隔離温室の面積が狭く、他の研究室との兼ね合いもあり、幼植物体を多数生育させることができたが、最終的に結実させることができた系統は28系統になってしまった。前年度の形質転換イネ作成の遅れ自体は取り戻すことができた。

今後の研究の推進方策

・形質転換イネとタバコの中から脱リグニンしやすく矮化の少ない優秀な系統を選択したので、隔離温室とバイオトロン中である程度の規模で栽培する。
・イネ植物体からLCCを単離して解析する。
・CADやCCRの発現を抑制した形質転換イネと交配して得られた植物体におけるLCC結合の減少とリグニン組成や量の変化によるシナジー効果を調べる。
・糖化性や飼料消化性について中スケールで調べる。
・酵素遺伝子に付与したシグナルペプチド部分の配列によって実際に細胞外まで酵素が分泌されているのかどうか、蛍光タンパク質との融合タンパク質を植物で発現させて確認する。

次年度使用額が生じた理由

前年度の繰越金があり、それを除くとほぼ計画通りの使用金額であった。また、試薬や合成DNAを値引きキャンペーン中にできるだけ集中させて購入したので、その分、安くついた。

次年度使用額の使用計画

本年度使い残した分に関しては、隔離温室の面積の制限によって生じた検体数の減少によるものであり、次年度にその分を解析するために使用する。また、次年度分に関しては本来の予定通りに使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] リグニン・多糖複合体分解酵素の植物体での発現 (2)2016

    • 著者名/発表者名
      黛康悦,丸山亮,川合伸也
    • 学会等名
      リグニン討論会
    • 発表場所
      京都府宇治市 京都大学宇治キャンパス 宇治おうばくプラザ きはだホール
    • 年月日
      2016-10-27 – 2016-10-28

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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