研究課題
研究実績の概要本年度は以下の点について市販の木材素材を使用して検討し,十分な成果を得ることができた。また,以上の構造用木質系複合材料に加え,代表的な木質材料のひとつである紙についても破壊力学に基づいて強度特性を解析し,十分な成果を得ることができた。(1) JISやISOに規格化されている木材の4点曲げ試験法による曲げヤング率の測定精度について検討した。その結果,荷重点をより外側に配置する方が精度よくヤング率を測定できることが示唆された。(2) さまざまに幅を変えた木材のねじり振動試験を実施し,せん断弾性係数の測定に及ぼす試験体形状の影響について検討した。その結果,断面寸法比の異なる2つの試験体を用いることによって適切にせん断弾性係数が得られるが,使用する試験体の断面寸法比の範囲を適切に設定する必要があることが示唆された。さらにねじりの中心軸が木材の繊維方向に一致するか,繊維に垂直な方向に一致するかによって適切な断面寸法比の範囲が著しく異なることがわかった。(3) 市販のコピー用紙に様々な大きさの円孔を導入し,引張強さに及ぼす円孔径の影響について2つの半経験則(Point Stress criterionおよびAverage Stress Criterion)と破壊力学に基づいて解析を実施した。その結果,抄紙方向と引張方向が一致する場合にはPoint Stress Criterionおよび破壊力学による予測が適切であったが,引張方向が抄紙方向と垂直な場合にはPoint Stress criterionおよびAverage Stress Criterionの方が適切であることが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)
Journal of the Society of Materials Science, Japan
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Holzforschung
https://doi.org/10.1515/hf-2017-0136
巻: 71 ページ: 977-984
https://doi.org/10.1515/hf-2017-0045
木材工業
巻: 72 ページ: 528-533