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2017 年度 実績報告書

プロテインキナーゼA触媒サブユニット遺伝子過剰発現によるリグニン分解系誘導の機構

研究課題

研究課題/領域番号 15K07517
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

入江 俊一  滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (30336721)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードヒラタケ / 品種改良 / リグノセルロース / 窒素代謝 / リグニン
研究実績の概要

RNAi効果によりPKAc1遺伝子の転写物量が30分の1に減少するヒラタケ株を取得した。木粉培地に植菌したところ、野生型株と比較して木質リグニン分解性が有意に低いことが示された。これにより以前から示唆されていたPKAc1遺伝子とリグニン分解との関連が支持された。
リグニンペルオキシダーゼ(LiP)は最大級の酸化還元電位を持つペルオキシダーゼであり、Phanerochaete chrysosporiumのリグニン分解において重要な役割を果たす。ヒラタケはマンガンペルオキシダーゼ、万能型ペルオキシダーゼを持つが、LiPを持たない。ヒラタケのリグニン分解性向上を期待してヒラタケにP. chrysosporium主要LiPアイソザイム遺伝子LiP H8を導入し、活性発現を確認した。現在リグニン分解性について試験を行っているところである。
飼料作成のための発酵システム開発に使用可能なカスタムヒラタケ株作成を目指し、ヒラタケにおける窒素代謝抑制機構の解析を行った。ヒラタケのプロテアーゼ活性発現はグルタミンにより効率的に抑制され、子嚢菌と同様の窒素代謝抑制機構が担子菌にも存在することが示唆された。しかし、アンモニアでは抑制効果が少ないこと、尿素でも効率的に抑制可能であることなど、子嚢菌における既知の観察とは異なる点も観察された。窒素代謝抑制機構の主要調節遺伝子AreAのホモログをヒラタケ全ゲノムデータから取得し、クローン化した。現在、
AreA-eGFPの細胞局在の確認と、AreA破壊ヒラタケ株の取得を試みている。
PKAc過剰発現株のRNA-Seq解析については、木粉培養物から良好な全RNA抽出ができない技術的問題を抱えており、得られた結果の信頼性に自信を持てない状況がつづいている。今後とも新たな抽出法の開発を継続していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A development and an improvement of selectable markers in Pleurotus ostreatus transformation2017

    • 著者名/発表者名
      Matsunaga, Y., Ando, M., Izumitsu, K., Suzuki, K., Honda, Y., Irie, T.
    • 雑誌名

      J Microbiol Methods

      巻: 134 ページ: 27-29

    • DOI

      10.1016/j.mimet.2017.01.007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Heterologous expression of the Pleurotus ostreatus MnP3 gene by the laccase gene promoter in Lentinula edodes2017

    • 著者名/発表者名
      Sato, T., Irie, T., Yoshino, F.
    • 雑誌名

      Biosci Biotechnol Biochem

      巻: 81 ページ: 1553-1556

    • DOI

      10.1080/09168451.2017.1332977

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒラタケ処理を用いた配合飼料原料としてのクズ性能の向上2017

    • 著者名/発表者名
      井本篤志、榑林俊樹、杉浦省三、泉津弘佑、鈴木一実、入江俊一
    • 学会等名
      環境微生物系学会合同大会2017
  • [学会発表] 白色腐朽菌ヒラタケにおけるGH10・GH11の機能喪失がsリグニン分解に及ぼす影響について2017

    • 著者名/発表者名
      湯村直樹、中沢威人、大沼広宜、泉津弘佑、入江俊一、福田泰久、白坂憲章、坂本正弘、本田与一
    • 学会等名
      第62回リグニン討論会

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公開日: 2018-12-17  

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