海洋の貧酸素・無酸素水塊中におけるプランクトンの生態を明らかにするために、夏期に貧酸素・無酸素水塊が定常的に出現する有明海奥部および大村湾において、様々なプランクトンの現存量や分類群組成の調査を行った。貧酸素水塊が出現している海域では、植物プランクトン/ネット動物プランクトンの現存量比が大きくなっていた。また、無酸素水塊中であっても繊毛虫プランクトンは出現し、そのバイオマスは表層や中層のバイオマスに匹敵し、大型個体の割合が大きくなっていた。貧酸素・無酸素の環境が継続し、バクテリアマットが形成された海底付近では、単細胞のナノプランクトンが極めて多く出現することが明らかとなった。
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