研究実績の概要 |
遺伝子発現量の定量実験が行えることを確認するために、22度Cで飼育しているミズクラゲのポリプを10度Cに数日間おいて、RNAを抽出し、オリゴ(dT)セルロースを用いてmRNAを精製し、RNA濃度を測定した。複数回実験を試みたが、RNAを溶出した溶媒中にRNAが検出されなかった。このため、緩衝液を変えるなどして分析条件を検討中である。 エチゼンクラゲのポリプにホルモン様物質(5-メトキシ-2-メチルインドール)を投与し、変態を誘導した後、複数の水温条件下(22, 18, 10, 6度C)で変態の進行速度を測定した。22度Cでは2日、18度Cでは5日、10度Cでは13日、6度Cでは31日で、全てのポリプにおいて変態を視認できるようになった。同様の実験をミズクラゲについても10度C、6度Cで実施した。10度Cでは13日目までに全て、6度Cでは31日目までに半数のポリプにおいて、変態を視認できるようになった。 エチゼンクラゲのポリプにホルモン様物質を投与し、変態を誘導した後、22度Cで培養し、36時間後、72時間後にRNAを抽出した。変態を誘導しないポリプと変態が終了したクラゲについてもRNAを抽出した。抽出したRNAを沖縄科学技術大学院大学の共同研究者に送付し、次世代シーケンサーを用いた配列組成の分析を行った。得られた配列ごとのリード数を変態の進行段階により比較し、変態の進行中にリード数が多い配列を抜き出した。
|