飼育水温のみを変動させたエチゼンクラゲポリプのストロビレーション実験では,最短で14℃,16日でストロビレーションの誘導が観察された。ストロビレーションの進行は温度依存であったが,事前に想定したクラゲ発生モデルのモデル式に合わない実験結果が得られた。 鉢クラゲポリプにホルモン様物質を投与してストロビレーションを開始させる実験では,実験した8種のうち,6種でストロビレーションを誘導する効果が確認されたが,2種では効果が無かった。ホルモン様物質投与によるストロビレーション誘導では水温によるストロビレーション誘導と異なるところがあり,ここでもクラゲ発生モデルのモデル式の修正が必要であった。 沖縄科学技術大学院大学との共同研究で,エチゼンクラゲのトランスクリプトーム解析を実施し,cDNAライブラリを作成した。ストロビレーション時に発現量が大きい遺伝子配列の中に,ミズクラゲにおけるタイマー遺伝子に近似な配列が含まれた。
|