今世紀に入り、人為的攪乱は人類が抱える世界共通、かつ、最大の課題のひとつとして認識されるに至った。海洋においても、水産資源として、または増殖・養殖事業に伴い、生物が自然な分布拡大の速度をはるかに上回る速度で大量移動することにより、沿岸域の生物生産構造が変化し、水産資源の安定した供給が危ぶまれている。本研究では、増殖・養殖事業のグローバル化がもたらす生物の人為的な移動が沿岸域に及ぼす影響について世界規模で展開した結果、養殖業において大きな被害を与える種群について、複数種の種の混同が明らかになり、整理された。この事実は、問題となる種群が大規模に移動しすでに分布を拡大していることを示している。
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