今後の研究の推進方策 |
glycoprotein hormone subunit alpha 2; GPA2と、glycoprotein hormone subunit beta 5; GPB5のdRNAによるノックダウンについては現在試験中であり、より確実な結果を確認する。バキュロウイルスOpMNPV由来のプロモーターOpIE2および精製用にHisタグを有するベクターへGPA2、GPB5またはIGF遺伝子群のORF領域の塩基配列を組み込み、昆虫細胞Sf9へ遺伝子導入する。培養後、細胞培養液の上清からウエスタンブロット法により目的タンパク質の発現を確認する。タンパク質の発現については、大腸菌の系についても合わせて検討する。次に、Hisタグ精製を行い、リコンビナントタンパク質 (rGPA2、rGPB5またはrIGFs) を定量する。新規ホルモンの生理活性の検索については、Boydenチャンバー法を用いてクルマエビの血球の走化性を観察する。また、造血幹細胞(エビの胃上部にある造血組織から分離・培養に成功)および器官培養したリンパ様器官を各リコンビナントタンパク質で感作し、細胞の増殖や分化について検討する。細胞の増殖については、ブロモデオキシウリジン (BrdU) の取りこみを計数する。細胞分化については、形態観察を行う。その他の生理活性については、血球の貪食活性とリゾチーム活性を検討する。血球に各リコンビナントタンパク質を感作後、i) 炎症反応において重要なNF-κB経路にある遺伝子群 (MyD88, TRAF6, IKK, NF-κB)、ii) 細胞増殖・分化やアポトーシス等で重要なMAPキナーゼ関連遺伝子群 (ASK1, JNK, p38, p53)、iii) 病原体感染時において重要なJAK/STAT経路に位置する遺伝子群 (Domeless, JAK, STAT, SOCS, PIAS)の発現動態を調べ、シグナルトランスダクションを解明する。なお、上記の遺伝子は全て本研究室において同定済みである。
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