本研究において、褐藻マツモの糸状体保存株の最適生長条件が水温15-20℃、光量100-200 μmol/㎡/秒であること、10% グリセリンを凍害防御剤として使用した液体窒素下での凍結保存が保存株の長期安定保存に有効であること、安価な塩素殺菌法(遊離塩素濃度1-3 mg/L)が保存株を用いた人工種苗生産に適用できること、保存株から作成した種苗を用いた海面養殖において十分な収穫量(約0.5kg/養殖ロープm)が得られることを明らかにした。 これらの結果から、本研究で開発した「低コストで安定した人工種苗生産システム」を用いた本種養殖生産体制の確立が可能であることが示された。
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