近年,クロマグロをはじめとするマグロ類は資源量の減少が世界的に重大な問題となっており,資源の回復と維持のための方策の実施が急務である。そのため,種苗生産から沖合域での大型生簀による飼育に至る本格的な完全養殖技術の早急な確立が望まれている。これらを実施するためには,特化の著しいマグロ類の行動特性の把握に留まらず,環境刺激(光強度,空間サイズ,水温,流れ等)により,どのような行動を発現するのかを明らかにしなければならない。そこで,本研究では申請者らがすでに明らかにした主に視覚に依存した行動をするクロマグロおよびマグロ類が環境変化という外的刺激を受けた時に創発する反応行動の数理モデルの構築を試みた。
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