研究課題/領域番号 |
15K07566
|
研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
伏屋 玲子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産工学研究所, 主任研究員 (40373469)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | クルマエビ / 性連鎖マーカー / 人工交配 / 育種 |
研究実績の概要 |
確立させた簡易人工交配法を用いて,個体識別をした雌雄複数の組み合わせで,約20家系から自然産卵により採卵した.採卵した受精卵を三等分し,20,24,30℃の水温区に分けて飼育し,F1を作成した. クルマエビでの人工交配が可能となったことから希望の形質・遺伝子を持つ個体での再生産(育種)が可能となった.育種だけなく,種苗生産現場で産卵がなく脱皮した(交尾栓がない状態)メスの再利用にも役立つよう,現場普及用に簡易人工交配法をビデオで録画し説明した. GBS(Genotyping by sequencing)解析を行うために人工交配により採卵し,受精卵を自然水温により飼育した.形態による雌雄判別が可能なサイズ(50mm・4ヵ月以上)の稚エビ56個体(雄30, 雌26)と両親よりゲノムDNAを抽出し,GBSライブラリーを作成後,GBS解析を行った.シーケンシングには、Hiseq4000で1レーン分(100 bp Paired end)で実施し,得られたデータをマッピングした.次にSNPの抽出には、Stacks(ref_map.plパイプライン)で解析後,以下の条件を満たすSNPを抽出した。抽出条件:稚エビ全個体中の80%以上でデータ取得され,親個体で多型性が有あり,メンデルの法則(分離比1:1)に当てはまること.GBS解析で得られたSNPと性決定と連鎖解析には,R-QTLを用いた.親からは,平均1,656万リード(1.622MB),稚エビからは平均893万リード(864MB)が得られた.雌雄でそれぞれ900座程度のSNPが得られ,そのうちの3つのSNPで性決定(雌ヘテロ)と連鎖した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画どおり人工交配法の確立により育種システムの構築ができた.新たに性連鎖マーカーを見つけたことにより,昨年の遅れを取り戻した.
|
今後の研究の推進方策 |
新規制連鎖マーカーをもちいて,既存の温度家系サンプルおよび新たに生産する種苗の形態と遺伝の性判別を行い,性転換個体の有無を調べる.
|
次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の繰り越しがあったことと,昨年度作成したF1からのサンプリングが次年度にずれたため,全額は使用することができなかった.
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は解析するサンプル数が多く,また最終年度にあたり成果発表等も行うため,全額使用する予定である.
|