研究課題/領域番号 |
15K07598
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石井 圭一 東北大学, 農学研究科, 准教授 (20356322)
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研究分担者 |
嶺田 拓也 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (70360386)
関根 久子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業研究センター, 上級研究員 (80455302)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 農学 / 有機農業研究 / 有機米 |
研究実績の概要 |
28年度におけるフランス調査ではパリ農学院(AgroTechParis)チエリ・ドレ教授、国立農学研究所ベルサイユセンター元行為と発展の科学部長ジャン・マルク・メナール氏、アビニョンセンター環境・開発研究グループ長ステファン・ベロン氏のもと、有機農業に関する研究体制、研究組織、研究課題とそれらの変遷について説明を受けた。農業省や地方政府の積極的な有機農業振興を背景に、平坦ではないものの、動員される研究者の数やその多様性の伸張のさまが明らかになった。フランスの農学(アグロノミー)では1970年より、農学を「圃場の生態学」として捉えるとともに、圃場環境に加えて農業者の行為や技術選択について研究の射程に据えている点、特徴的である。また、1990年代以降は農業者や現場の技術普及員らとの参加型研究にも精力的に取り組まれている。有機農業の技術展開は多様な圃場環境のもと、農業者それぞれの試行錯誤による農法や作業の蓄積の上に成り立っており、フランスの農学の方法論と非常に親和的である点、理解できた。 また、国立農学研究所モンペリエセンターではカマルグ地方における有機米振興に関するプロジェクトについて、主宰したジャン・クロード・モレ氏より説明を受け、現地にて有機米の栽培技術体系について理解を深めた。 ドイツにおける調査では連邦農村・森林・漁業研究所(J. H. von Thuenen 研究所)における有機農業関係の試験研究の体制についてヒアリングを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドイツ、フランスともに、想定通りの現地調査を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は日本の有機農業研究体制との比較が主たる作業となる。国内の有機農業に関わった研究者や各県の試験場の研究者らとの面接を行い、日本の有機農業研究の環境について確認することとする。なお、フランスについては、農学高等教育機関(農学部・農学研究科相当)における有機農業コースに見る人材育成の動向について調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度計画作成のための打ち合わせを年度末に行うため、旅費を確保したが、2017年3月、関連学会開催時に研究参加者が一堂に会し打ち合わせを行うことができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
国内における有機農業試験研究動向のヒアリング調査費に充てることとする。
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