研究課題/領域番号 |
15K07605
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
松田 裕子 三重大学, 社会連携研究センター, 社会連携特任教授 (50442562)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | EU共通農業政策 / 農村振興 / 人材育成 / CAP改革 / 農業経営所得 / 直接支払 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である,EUの最新の「共通農業政策(Common Agricultural Policy; CAP)」および「農村アニメーターのための欧州修士プログラム(European Masters Programme For Rural Animators;以下、EMRA)」を研究対象とした現地調査(スペイン・バレンシア州)を行い,その成果の一部を農林水産省国際部からの委託事業の調査報告書としてとりまとめた。 1)CAP改革による地域経済および農業経営所得に及ぼす影響の分析(研究課題1) スペインおよびバレンシア州の農業・農政の特色を整理するとともに,CAP改革後の直接支払が農業経営所得に及ぼす影響を,経営類型別に簿記データから分析した。加えて,柑橘経営を対象とした現地聞きとり調査を行い,統計分析を裏付ける以下の結果が明らかになった。 第1に,バレンシア州の農業所得構造は,その平均経営面積の小ささ(5ha)と,それに起因した農業所得に占める補助金率の低さによって特徴づけられ,受給者当たり平均受給額がスペインで最も低い水準となっている。第2に,農業経営における補助金の相対的な重要性のインディケータとすると,小規模柑橘経営では18.3%となっており,この割合は,粗放経営や集約的な穀物経営など他の経営類型に比して,園芸農業では低くなっている。 2)農村アニメーターの役割と現状の課題に関する国際比較および人材育成の実態調査(研究課題2) スペイン・バレンシア大学にて本テーマのヒアリングを行うとともに,我が国の地域人材育成の専門家との意見交換を重ね,人材育成を軸とした持続可能な農村振興の成立条件に関する日欧の比較分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
内閣府の地方創生人材支援制度の派遣者として,南伊勢町役場に出向中のため,研究時間の減少を余儀なくされている(きわめて特殊な事情による行政職への出向)。 しかしながら,H27年度は幸い,海外調査も予定通り実施することができ,当初の研究目的や研究計画については概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度は,出向先での業務が優先されるため,計画していた海外調査は実施することができないが,その代わりに,EUについてはインターネットを通した文献調査を進めつつ,国内の農村振興や人材育成の専門家との意見交換や協働活動を重点的に行うことで,日欧の比較分析に力を入れる。
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次年度使用額が生じた理由 |
地方創生人材支援制度により,南伊勢町に常勤で派遣されている特殊理由により,研究に充てられる時間の削減を余儀なくされたため。
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次年度使用額の使用計画 |
毎月1~2回の東京での勉強会や地方のEU研究者との意見交換を中心として,インターネットやメール等を通した現地の情報収集に励む計画である。
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