研究課題
基盤研究(C)
本研究は,中国の農産物の産地流通の主体の実態を明らかにし,現在の農産物流通システムの態様を明らかにすることを目的とした。その結果,次の点が明らかになった。第1に,現在においても産地卸売市場が産地における主要な販売チャネルになっていることである。第2に,農民専業合作社のなかに消費地の卸売市場で直接販売を行うケースが存在した。しかし,合作社が販売面でのリスクを負担しており,不安定性を持っていた。第3に,農産物生産企業のなかに,Eコマースを通じて消費者に直接に販売を行うケースが存在した。以上のように,農産物の産地流通は多様化しているが,卸売市場を経由する流通が依然として中心的なチャネルである。
農産物流通論