クロマグロの資源利用問題が世界的に注目を集める。国内供給量は漸減するが,旋網物や養殖物の市況は管理強化方針前後に一時的上昇を示すに過ぎない。当該状況が川下需要を担う量販店の仕入行動の見直しによって誘発された可能性やフードシステム内部の分断・捩れを実態・実証分析で明らかにした。差別化商材として量販店の商品化が進むクロマグロは,多大な販売ロスが伴うなど取り扱いリスクが大きく,ロスや仕入原価の抑制対応力が商品化の成否・可否を規定すること,特に需給の不確実性が増す中で量販店はロス・原価の抑制や無駄のない仕入の実践への対応動機を強めるが,それが納品側に投機的な対応やリスク負担を問うこと等も示唆された。
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