研究課題/領域番号 |
15K07616
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
李 侖美 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (80465939)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 新規就農研修事業 / JA出資型農業法人 / 独立就農 / 担い手育成 |
研究実績の概要 |
今年度の課題は、①「新規就農研修事業を実施する法人のアンケート調査」の実施と、②「JA出資型法人の新規就農研修事業を実施する事例」の個別調査、③「独立就農年数・品目ごとに就農者に関する聞き取り調査」であった。 ①出資割合が50%以上である法人を対象としアンケート調査を実施した。調査の結果JA出資型法人のうち、新規就農研修事業を実施している法人50であることが把握できた。当初、予定していた数よりやや少ないと考えられる。その理由として、個別法人ではなく、JA宛として調査を行っていることにあると考えられる。なぜなら、JAの職員は各法人の事業まで完全に把握してない可能性があるからである。 新規就農研修事業を実施している法人の事業分野をみると、露地・施設野菜、水稲作が多くなっているなか、果樹作の方も近年増加している傾向が見られた。新規就農研修事業を行っているJA出資型法人のうち、北海道(酪農)、栃木県(露地野菜)、長野県(施設・露地野菜、果樹)に所在する法人の聞き取り調査を行い、新規就農研修事業を実施した背景、研修生の概要、研修事業の内容、独立就農者の概要などについて情報が得られた。 さらに、長野県所在法人の場合は、新規就農研修事業を実施している法人だけではなく、研修期間2年の研修・生活を修了し、地元で独立就した10人に対して就農に当たっての経緯・取り組み、農業経営の状況などについて聞き取り調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新規就農研修事業を実施している法人の事業分野をみると、露地・施設野菜、水稲作が多くなっているなか、果樹作の方も近年増加している傾向が見られた。新規就農研修事業を行っているJA出資型法人のうち、北海道(酪農)、栃木県(露地野菜)、長野県(施設・露地野菜、果樹)に所在する法人の聞き取り調査を行い、新規就農研修事業を実施した背景、研修生の概要、研修事業の内容、独立就農者の概要などについて情報が得られた。 以上のうち、長野県所在の法人と独立就農者について聞き取り調査を行って、現在、取りまとめに取り組んでいる。この事例の分析をもとに、今年にある学会で報告を企画している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は新規就農研修事業を行っている法人のうち、宮崎(施設野菜)、滋賀(水田作)を中心に調査を企画している。 なお、今年度からは、就農研修事業を行っている県および、市町村の農業公社、一般法人、JAなどで、開催主体と実際の就農研修の実施主体が異なるケースを対象にして個別調査を行う計画である。事例の選定においては、県と市町村農業公社、一般法人はこれまで行われた先行研究を参考し、JAについては、全国農業協同組合中央会の協力を得ることにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては、人件費が予定より少なかったことがあげられる。調査結果の整理を学生アルバイトを活用したが、多少難しい分析においては、自分で処理したことがあげられる。
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次年度使用額の使用計画 |
宮崎(施設野菜)、滋賀(水田作)にあるJA出資型法人と新規就農研修事業を終了し、独立した人を対象に聞き取り調査を実施する。さらに、就農研修事業を行っている県および、市町村の農業公社、一般法人、JAなどで、開催主体と実際の就農研修の実施主体が異なるケースを対象にして個別調査を行う計画である。 これらの調査で得られた資料の整理については、学生アルバイトを積極的に活用する計画である。
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