2017年度の課題は、昨年実施した「新規就農研修事業を実施する法人のアンケート調査」の分析と、②「JA出資型法人の新規就農研修事業を実施する事例」の個別調査であった。 新規就農研修事業の事業分野について回答した法人の内訳をみると露地野菜が41法人(71.9%)で最も多く、その次は、稲作で27法人(47.4%)、施設野菜が20法人(35.1%)、果樹7法人(12.3%)、酪農、養豚の順となっている。 また、これまで新規就農研修を実施してきた法人における実績についてみると、これまで研修受入人数と就農実績人数が30人以上の法人がそれぞれ6法人、4法人ある。これらの法人のうち、最も実績が多い法人は、宮崎県所在の(有)JMで、これまでの研修受入人数は99人、就農実績人数は88法人となっており、地域農業を担っていく農業者創出において極めて大きな役割を果たしているといってよい。研修と就農の実績を合計してみると、研修受入人数は64法人で628人、就農実績人数は37法人で324人となっている。回答がない法人もあるので、正確には把握できていないが、回答がない法人まで含めれば、さらに多くなるはずであり、JA出資型法人は新規就農研修事業において着実に成果を残していることが明らかであろう。 さらに、滋賀県(水田)、福島県・鹿児島県(肉用牛)にある法人の聞き取り調査を行い、地域内の担い手状況、法人の経営、新規就農研修事業の実績、今後の方向などについて情報が得られた。今回に実施した個別調査の内容については、2018年にある学会で報告を企画している。
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