アニマルウェルフェアに配慮した畜産物生産、なかでも鶏卵アニマルウェルフェア対応は、EUで先行しながら米国で急速に進展を見せている。本研究は、AW食品普及の各国の動向を、公的規制、生産・流通・消費の構造、食品ラベルシステム、消費者意識など総合的構造として調査した。国際的比較により日本への示唆をえた。 結果は以下の通り。第1に、鶏卵フードシステムをめぐる一般的課題の進捗状況が規定的であった。第2に、公的規制とくに生産基準の信頼性やそれを的確に反映する食品ラベルシステムのあり方が重要であった。従って、AW食品普及の制度設計に際しては関係各機関の十分な調整が重要であると結論づけられる。
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