研究課題/領域番号 |
15K07627
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
小林 富雄 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (60592805)
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研究分担者 |
野見山 敏雄 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20242240)
波夛野 豪 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (30249370)
種市 豊 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (40640826)
相原 延英 名古屋文理大学, 健康生活学部, 准教授 (30734553)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 食品ロス / フードバンク / オーストラリア / OZ Harvest / ドギーバッグ |
研究実績の概要 |
最終年度は、前年度研究分担者が体調不良により調査が実施できなかった調査費用を繰り越し、残された調査を実施した。食品ロス問題の解決方法であるフードバンク活動と外食産業への対策のケーススタディとして、韓国・釜山とオーストラリア・シドニーの調査を実施した。海外のフードバンク活動は、規模が大きいため産業化と揶揄されており、Boothら (2014)は「貧困改善のためには何もしていない」と批判している。 検証の結果、オーストラリアのフードバンクは、運営団体が複数存在し、新しく設立されたフードバンクでは食品ロス削減については外食などの収集、配分が困難な食品でも栄養面から捨てるべきではないと考え、積極的に取り扱っていた。また、多額の寄付金を募って教育や就労支援など多様なチャリティを実施し、直接的な貧困対策に注力していた。以上を考慮した場合、確かにフードバンクの取り扱う食品寄付量は貧困率や社会支出などとは全く無関係であるにせよ、そのことをもってフードバンクの存在は否定し得ないという結論を得た。 オーストラリアのEPA(環境保護省)へのヒアリングでは、フードバンクや外食産業への食品ロス削減への支援が積極的になされており、Love Food Hate Wasteというイギリス当局で実践されているプログラムを採用しながら国民運動を展開していることが明らかとなった。特に個人経営の飲食店に対し食材の管理や、ドギーバッグ(食べ残しの持ち帰り)などのコンサルティングを民間委託し収益改善に結びついている実態を把握できた。 釜山調査では、産業化の実態はつかめなかったが、家庭系生ごみ分別によるリサイクルシステムにおけるIT導入の実態を把握できた。 以上の研究成果として、オーストラリアのケーススタディについて、2018年度日本流通学会での個別発表報告(済み)と査読付き投稿論文の掲載が決定している。
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備考 |
ドギーバッグ普及委員会には情報提供をした。
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