農場の大規模化が進むアメリカにおいて,酪農は従来,傾斜地や比較的都市に近い地域など大規模穀作には向かない地域で発展してきた.1980年代から始まる酪農経営の規模拡大は,カリフォルニア州セントバレーを中心とした新産地への産地移動を伴っていることが既存研究で明らかにされていることである.本研究では,その中で伝統的産地がどのように生き残ろうとしているのかを検討し,規模拡大戦略は限られた地域でしか実現されていないことを明らかにした. 農場の規模拡大と地域の農業発展が両立しないことがアメリカ合衆国でも生じていることを例証した.
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