1.乳幼児体重測定の継続的実施と考察:乳幼児の体重測定を住民ボランティアを中心に実施してきた。一部ボランティアは測定の目的・意義、測定と記録方法を理解したが、一部地域のボランティアの理解は不十分であったり、出稼ぎに出て不在だったりという様子が見受けられた。地方選挙の際に政治的理由でボランティア活動に支障が生じ、難しさを感じた。 2.体重増加不良児のフォローアップ活動による考察:体重増加不良児のフォローアップのための家庭訪問を継続した。特に母親の出稼ぎにより子どものケアが十分に行われない状況が見受けられた。体重低下の原因に下痢があることが伺えたので、フォローアップ対象家庭で簡易水質調査を実施した。複数の家庭で「湯冷まし」「フィルターによるろ過水」を飲料水に用いていたが、容器や保管方法に問題があり、大腸菌群が検出された。特に「湯冷まし」の保存にペットボトルが使用されている場合は、大量の大腸菌群がみられた。 3.子供たちのスナック菓子購入等に関する実態調査:スナック菓子の購入が増加していることが推測され、小学生以上の子供達に対してスナック菓子の購入や食事に関する意識調査を実施した。スナック菓子の購入状況を見ると、20g程度のパッケージを平均で4袋程度購入・摂取していた。家族が出稼ぎに行っている家庭の子供の方が購入量が多い傾向がみられた。 4.子供たちの健康改善のための各種健康教育活動の実施と結果の考察:スナック菓子調査と同時に子どもたちへの栄養教育や保護者への衛生教育を実施した。子どもたちは栄養について教育を受けた経験がほとんどなく、栄養教育に楽しんで参加した。スナック菓子に栄養があると考えている子どもたちがほとんどであった。子どもたちを対象に正しい手洗いについてと保護者を対象に安全な飲料水についての健康教育を実施した。多くの保護者が「湯冷まし」を安全な水と認識していた。
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