研究課題
本研究では,陸前高田市復興局と盛土構造物の沈下状況,将来の沈下予測について意見交換を行い,入手した沿岸被災地の盛土構造物の地盤沈下状況を分析し把握するとともに,構築した予測手法および従来法を使用して地盤の沈下予測を行った.研究で用いた実測値は不規則に変動していたため,学習データの規則性を向上させるため,2種類の補間法を用いて等時間間隔データを作成した.エルミート補間法による値は,データが平滑ではない場合,オーバーシュートが生じず振動が少なくなっており,スプライン補間法の値と比べて地盤の沈下挙動をより適切に表現することが分かった.ニューラルネットワークを使用した地盤の沈下量予測精度を検討した結果,エルミート補間法を使用した場合,沈下量を過大評価する傾向にあるが,地盤の沈下挙動を再現することが分かった.本モデルによって予測した2025年,2035年の地盤沈下量は,No.4ではそれぞれ23.5 cm,23.6 cm,No.6ではそれぞれ51.9 cm,52.0 cmと算出された.また,これと並行して,軟弱な地盤の改良について新たな知見を得ること,環境に配慮した地盤改良工法技術を開発することについて,情報収集と実験的検討を開始した.産業廃棄物であるカキ殻を有効利用するとともにリン酸を用いた土の固化処理について実験的に検討した.カラム試験において,カキ殻とリン酸水溶液が反応しリン酸カルシウム化合物が析出することを確認した.また,一軸圧縮試験結果と画像観察から,養生日数の増加に伴い供試体の強度が増加すること,析出したリン酸カルシウム化合物が供試体の強度増加に寄与することを確認した.本研究で得られた成果を,国内の学会およびイタリアの国際学会にて発表するとともに,論文として公表した.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件) 備考 (1件)
陸前高田グローバルキャンパス大学シンポジウム2018要旨集
巻: ー ページ: 89, 92
農業農村工学会論文集
巻: 85 巻 2 号 ページ: I_137, I_143
Proceedings Sardinia 2017 / Sixteenth International Waste Management and Landfill Symposium
巻: ー ページ: No.642, 1-10.
巻: ー ページ: No.641, 1-9
http://www.agr.iwate-u.ac.jp/lab/%E5%9C%9F%E7%92%B0%E5%A2%83%E5%B7%A5%E5%AD%A6%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%AE%A4/