沿岸低平地帯に分布する軟弱地盤上に建設される盛土構造物は,地盤の高い圧縮性と低い透水性のため築造後も長期間にわたって沈下が継続することから,盛土構造物の圧密沈下は農業農村工学および地盤工学上の重要な問題である.本研究では,観測初期の限られた実測値に基づく圧密沈下予測法の構築を目的とし,ニューラルネットワークによる沈下予測手法を使用し盛土地盤沈下の予測を行い,モデルの改良と予測精度について検討した.ネットワークモデルに沈下速度の収束パターンを認識させ,許容規準を満たした予測値を再学習させることによって,モデルの予測精度は大幅に向上し,少ない観測数においても高い予測精度を有することが分かった.
|