農地や市街地・道路などの面源や山林などのバックグラウンド土地利用から発生し河川を流下する汚濁物質の総量は流出負荷量と呼ばれる。これは下水道計画や内湾・湖沼の水質汚濁対策の基礎数値であるが,その推定量の確からしさについては統計学的にも妥当な議論がなされておらず,汚濁対策の有効性に大きな疑義を与え続けてきた。本研究は,行政や研究機関で収集・保存されている定期水質モニタリングに基づく既存の水質データに基づいて,流出負荷量の偏りの無い推定量と,その推定の不確かさ(信頼区間)を適切に与えることのできる方法を初めて開発したものであり,本手法によりより適切に閉鎖性水域の水質汚濁対策が講じられよう。
|