2014年に日本では162名のデング熱罹患者が確認された。気候変動とグローバル化に伴い、温帯地域である日本でもデング熱の流行のリスクが拡大している。本研究では、平時からデング熱媒介蚊を防除する技術として、アキアカネを利用した生物防除技術の開発を試みた。蚊の産卵を誘発するオビトラップにアキアカネ幼虫を放流することでヒトスジシマカ幼虫を制御することができた。アキアカネとノシメトンボ幼虫を放流したオビトラップでは、ボウフラの発生数がそれぞれ1.5個体と0.6個体となった。防除期間も41日と35日となった。本研究の成果は、アキアカネ幼虫とオビトラップがデング熱媒介蚊制御に有効であることを示唆している。
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