植物表面の滑らかさの変化として視認可能な組織の内部構造の変化は,水ストレス等の影響を敏感に反映する可能性があるが,その定量化は困難である.本研究では偏光角度を一定に調整した光が植物体内で反射(透過)する際にその偏光性がどう変わるかを広い波長域で高精度に測定可能とする分光・偏光特性の同時測定システムを開発した.さらに,同システムを用いて,人為的に組織の内部構造を変化させた植物の分光・偏光特性を測定し,両者の関連性を検討した.その結果,乾燥実験では原形質分離に至るまでの細胞破壊の過程を,また光合成実験では光合成産物の蓄積による組織構造の変化の状況を本特性から測定できることを確認した.
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