本研究の目的は,農作業支援用の「野外で姿勢,モーション,感性情報などをセンシング出来るヒューマンセンシングシステムの構築とその応用」であり,具体的な実施項目は,1.野外で使用できる簡易・安価なヒューマンセンシングシステムの基礎研究・開発,2.自動農作業・労働負担記録システムの開発である. H29年度の研究成果は,H28年度より実施している共生型農業生産に対して大きな問題になっている野生鳥獣対策に関し,その駆除労働負担を評価できるよう情報収集とシステム開発の方針の検討後,関連技術開発と,検証フィールドとの連携強化・拡張について継続した.具体的に駆除を行う狩猟者の支援技術開発が行え,検証フィールドも鹿児島,群馬と新たに連携することが可能となった. 研究期間全体を通じての研究成果としては,通常の農作業と共生型農業のための野生鳥獣駆除作業両者に使用できる,野外でのヒューマンセンシング技術の基礎部は構築できた.また,特に後者の駆除作業において,関連して支援できるGISハンターマップの構築が行え,長野県,埼玉県,群馬県,鹿児島県などに検証を行うフィールドの設置と継続的な連携の準備,一部検証のための情報収集を行うことができたと考える. 今後の課題としては通常農作業と駆除作業の共通性に着目したヒューマンセンシング及び評価の検討と,駆除作業における特殊性の明確化とそれに特化したヒューマンセンシング技術開発・評価方法の検討であると考える.
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