• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

音波振動を用いた植物の育成状態評価に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K07681
研究機関桐蔭横浜大学

研究代表者

杉本 恒美  桐蔭横浜大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授(移行) (80257427)

研究分担者 佐野 元昭  桐蔭横浜大学, 医用工学部, 教授(移行) (90206003)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード振動計測 / 非侵襲計測 / 超節水精密農業 / 土壌伝搬音速 / 葉の振動計測
研究実績の概要

平成28年度は主に音波振動による土壌伝搬音速の計測精度の向上、および葉の振動計測と土壌伝搬音速計測の協調計測のための計測システム構築および計測を行った。最初に音波振動による土壌伝搬音速については、培養土中で栽培中の小松菜根圏を対象とし、葉の振動計測との協調を考慮して、小型超磁歪振動子を用いた音波振動源および加速度センサ等を容器の大きさに合わせて新たに製作し直している。また、音波の伝搬速度については、閾値と相関処理を組み合わせたアルゴリズムを構築することにより、計測精度の向上を図った。その結果として、2㎜の篩により精製された培養土中であれば±1m/s程度の計測精度が実現できるようになり、照明のオンオフによる影響も正確に計測できるようになった。平成28年度の前半において、数回の実証実験を繰り返すことにより、土中の水分センサの示す体積含水率値の変化に対して、ほぼ反比例する伝搬音速の変化が観測できることを確認した。次に、葉の振動計測と土壌伝搬音速計測の協調計測を行うための計測システム構築を行った。試行実験の結果から、新芽の成長にともない計測葉への接触があると振動計測に影響がでることが判明したため、独立した計測葉の計測を行うことで、安定した実験結果が得られることを確認した。平成28年度の後半において、複数回の計測実験を行い、現在は葉の共振周波数の日周変化および土壌伝搬音速値の変化に対して、給水停止と再開タイミングを調整しつつ、最適な給水タイミングの検討を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

土壌伝搬音速の高精度計測と葉の振動計測の協調計測が可能なシステム構築が整い、様々な灌水タイミングを試すことにより最適な給水タイミングの検討が行えるようになったため。

今後の研究の推進方策

今後は小松菜の場合の最適な給水タイミングの検討を引き続き実施することにより、研究目的である音波振動による植物育成状態の評価推定方法の確立を目指す。

次年度使用額が生じた理由

消耗品(培養土、給水布等)を予想より消費しなかったこと、および得られるデータの精度が安定するまで発表等を控えていたことなどが主な理由である。

次年度使用額の使用計画

平成29年度は最適な給水タイミングを調べるための実験を、できる限り多く繰り返すことにより、再現性の確認を行う必要があるため、データ記録用のデータロガーもしくはデータ解析用のPC等を追加することにより、計測結果の迅速な検討が進められるようにする。また、ある程度の再現性が確認できた後に学会発表等を行う予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] 植物の葉の固有振動数のモデル化に関する研究2016

    • 著者名/発表者名
      内川千春、杉本恒美、佐野元昭、中川裕
    • 雑誌名

      桐蔭論叢

      巻: 34 ページ: 139-144

  • [雑誌論文] レーザ変位計を用いた葉の同時多点振動解析による植物の水ストレスの推定2016

    • 著者名/発表者名
      佐野元昭、内川千春、中川裕、安斎拓也、大平武征、白川貴志、杉本恒美
    • 雑誌名

      桐蔭論叢

      巻: 34 ページ: 155-158

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 縦挿し型送受信機を用いた土壌中の伝搬速度計測2016

    • 著者名/発表者名
      白川貴志, 大平武征, 中川裕, 佐野元昭, 杉本恒美
    • 雑誌名

      桐蔭論叢

      巻: 34 ページ: 135-138

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 通常のCCDカメラを用いた葉の固有振動数解析による植物の水ストレス推定2017

    • 著者名/発表者名
      佐野元昭、内川千春、中川裕、大平武征、白川貴志、杉本恒美
    • 学会等名
      日本音響学会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2017-03-17
  • [学会発表] Study on the modeling of the resonance frequency of a plant leaf(Ⅱ)2016

    • 著者名/発表者名
      Chiharu UCHIKAWA, Tsuneyoshi SUGIMOTO, Motoaki SANO, Yutaka NAKAGAWA and Takeyuki OHDAIRA
    • 学会等名
      11th Toin International Symposium on Biomedical Engineering
    • 発表場所
      Sophos Hall, Toin Gakuen Academium B1F
    • 年月日
      2016-10-29
    • 国際学会
  • [学会発表] Propagation velocity in soil using Handheld Sound Source and Sensors(II)2016

    • 著者名/発表者名
      Takashi SHIRAKAWA, Takeyuki OHDAIRA, Yutaka NAKAGAWA, Motoaki SANO, and Tsuneyoshi SUGIMOTO
    • 学会等名
      11th Toin International Symposium on Biomedical Engineering
    • 発表場所
      Sophos Hall, Toin Gakuen Academium B1F
    • 年月日
      2016-10-29
    • 国際学会
  • [学会発表] Examination of sound wave propagation velocity and volume water content in Komatsuna (Japanese mustard spinach) settled compost2016

    • 著者名/発表者名
      Takeyuki OHDAIRA, Tsuneyoshi SUGIMOTO, Motoaki SANO, Takashi SHIRAKAWA, Yutaka NAKAGAWA and Chiharu UCHIKAWA
    • 学会等名
      11th Toin International Symposium on Biomedical Engineering
    • 発表場所
      Sophos Hall, Toin Gakuen Academium B1F
    • 年月日
      2016-10-29
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi