研究課題/領域番号 |
15K07687
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
堀居 拓郎 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (00361387)
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研究分担者 |
畑田 出穂 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (50212147)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 半数体 / ES細胞 / CRISPR/Cas |
研究実績の概要 |
平成27年度は、半数体ES 細胞を簡便に分離する方法の開発を行った。 半数体ES 細胞はそのまま継代すると、およそ3週間で完全に2倍体化する。予備実験により、G1 期の半数体細胞は2倍体化した細胞よりも小さいことが分かっているので、細胞の大きさにより分離するシステムを立ち上げることにした。具体的には、以下の2通りの実験を行った。 1)精密ナイロンメッシュを用いた半数体細胞の分離 通常の2倍体ES 細胞の直径が16μm 程度に対し、G1 期の半数体ES 細胞は10μm しかない。よって、半数体細胞のみ通過できるナイロンメッシュに細胞を通過させると、直径の小さい半数体細胞を効率的に分離できないか検討する。このナイロンメッシュは規格品では、5、10、15μmのものが市販されているので、これら3種類を試した。結果、もっとも大きなG2/M期の2倍体細胞はある程度取り除くことができたものの、半数体細胞のみを濃縮することはできなかった。 2)FSC とSSC による半数体細胞の分離 市販のFACS はどの機器でもFSC(前方散乱=Forward Scatter)とSSC(側方散乱=Side Scatter)パラメーターを保有している。FSC は細胞の大きさに相関があり、SSC は細胞内の構造と相関がある。この2つのパラメーターを利用することにより、半数体ES 細胞を効率良く分離できないか検討した。FSC/SSCの最も左下にある小さな細胞集団をソートし、固定~PI 染色の後、FACSを用いて半数体細胞の純度を調べたところ、約91%がG1期の半数体細胞の集団に濃縮できた。従来法では、細胞をヘキストで染色し、特殊なレーザーを搭載したFACSでしか半数体細胞を分離することはできなかったが、本方法により簡便でFACSがあればどこでも分離できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
27年度は簡便な半数体分離方法の確立を予定していたが、FACSのFSC/SSCパラメーターを用いて簡便に分離できる方法を確立できたため、おおむね任務を遂行できたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
28年度以降は、半数体細胞が2倍体化するメカニズムを調べるため、CRISPR/Cas法を用いた原因候補遺伝子の破壊を半数体ES細胞で行う予定である。
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