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2016 年度 実施状況報告書

マウス半数体ES細胞の簡便な継代培養法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K07687
研究機関群馬大学

研究代表者

堀居 拓郎  群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (00361387)

研究分担者 畑田 出穂  群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (50212147)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード半数体 / ES細胞 / CRISPR/Cas
研究実績の概要

細胞分裂異常によりゲノムが4倍体になると p53 依存的なチェックポイントがはたらき、細胞分裂の停止(p21 活性化)および細胞死(Bax 活性化)へと導く(Andreassen et al., Mol Biol Cell, 2001; Fujiwara et al., Nature, 2005)。我々は、ゲノムが半分量になっても、p53 依存的チェックポイント がはたらき、2倍体化した細胞の増殖が有利となると予想している。また栄養膜幹細胞である TS 細胞などが多核化する場合、p57、p21 の活性化により細胞質分裂が阻害されてゲノムが倍化する (Ullah et al., Gene Dev, 2008)。特に p57 については、インプリントを受けており、母方由来の DNA からのみ発現する。すなわち、未受精卵由来の半数体 ES 細胞では p57 が過剰に発現している可 能性がある。以上のことをふまえ、これらの因子を KO もしくは阻害することにより継代中の半 数体細胞の比率がどのように変化するのか調べた。

平成28年度は、p53 KO半数体 ES 細胞の樹立を行なった。p53+/-マウスを過排卵処理して未受精卵 を回収した。未受精卵は塩化ストロンチウム活性化培地で培養することで単為発生させ、桑実期胚を ES 細胞樹立培地で培養することにより、半数体 ES 細胞の樹立を行なった。現在、倍数性の確認等を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28~29年度にかけて、複数の遺伝子をKOした半数体ES細胞の樹立を予定している。平成28年度はp53-KO 半数体ES細胞の樹立を行うことができたので、おおむね順調に遂行できていると考えられる。

今後の研究の推進方策

KO 細胞株を用いて、FACS で倍数性の確認を行う。 KO 細胞株では野生型と 比べ、半数体の比率が多いと予想している。また、RNA およびタンパクを抽出して、それぞれ real-time RT-PCR およびウエスタンブロットによって、mRNA 発現量や活性化タンパクの量を測定し、野生型細胞株と比較する。また、半数体のチェックポイントが存在するならば、G1 期で の細胞周期の停止およびアポトーシスが起きているかもしれない。そのため、G1 期の細胞の割 合および TUNEL 染色によるアポトーシス細胞の割合を FACS(FACSVerse, BD 社)で解析する。 さらに、これらの因子は染色体の安定性にも関わるので、染色体数が半数体(1N=20)を正確に 維持しているのか染色体標本を作製して確認する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Targeted DNA demethylation in vivo using dCas9-peptide repeat and scFv-TET1 catalytic domain fusions.2016

    • 著者名/発表者名
      Morita S, Noguchi H, Horii T, Nakabayashi K, Kimura M, Okamura K, Sakai A, Nakashima H, Hata K, Nakashima K, Hatada I.
    • 雑誌名

      Nature Biotechnology

      巻: 34 ページ: 1060-1065

    • DOI

      10.1038/nbt.3658.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 5-Hydroxymethylcytosine Marks Sites of DNA Damage and Promotes Genome Stability.2016

    • 著者名/発表者名
      Kafer GR, Li X, Horii T, Suetake I, Tajima S, Hatada I, Carlton PM.
    • 雑誌名

      Cell Reports

      巻: 14 ページ: 1283-92

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2016.01.035.

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Regulation of CpG methylation by Dnmt and Tet in pluripotent stem cells.2016

    • 著者名/発表者名
      Horii T, Hatada I.
    • 雑誌名

      Journal of Reproduction and Development

      巻: 62 ページ: 331-335

    • DOI

      10.1262/jrd.2016-046.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Tetタンパクは転写因子Nr2f2のプロモーターを脱メチル化することによりES細胞の多能性を維持する2016

    • 著者名/発表者名
      堀居拓郎、森田純代、木村美香、寺脇直美、木村博信、末武勲、田嶋正二、安部由美子、畑田出穂
    • 学会等名
      第109回日本繁殖生物学会年会
    • 発表場所
      相模原
    • 年月日
      2016-09-14 – 2016-09-14
  • [学会発表] Cas9タンパクおよびエレクトロポレーション法を用いたコンディショナルノックアウトマウスの作製2016

    • 著者名/発表者名
      堀居拓郎、森田純代、木村美香、寺脇直美、畑田出穂
    • 学会等名
      第1回日本ゲノム編集学会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2016-09-06 – 2016-09-07
  • [学会発表] ES細胞の多能性にはTetによるNr2f2プロモーター領域の脱メチル化が必要であ2016

    • 著者名/発表者名
      堀居拓郎、森田純代、木村美香、寺脇直美、木村博信、末武勲、田嶋正二、安部由美子、畑田出穂
    • 学会等名
      第10回日本エピジェネティクス研究会年会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2016-05-19 – 2016-05-20
  • [図書] All About ゲノム編集2016

    • 著者名/発表者名
      畑田出穂、森田純代、堀居拓郎
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      羊土社
  • [備考] 群馬大学生体調節研究所 ゲノム科学リソース分野(畑田研究室)

    • URL

      http://epigenome.dept.showa.gunma-u.ac.jp/~hatada/

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公開日: 2018-01-16  

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