研究課題
1.RLF不活性化モデルブタの作製申請者らによりブタ精巣より単離したRLF(Biochem. J. 2012)をキャリアタンパク質である卵白アルブミン(OVA)と結合させたOVA-RLFを抗原として、7週齢の未成熟雄豚に免疫を開始し、28週齢まで能動免疫処理を施した。なお、対照区には、OVAのみを免疫処理した。RLFを不活性化できる力価の高い抗体が産生されたことを、受容体LGR8遺伝子を導入したHEK293細胞(Biochem. J. 2012; Biol. Chem. 2013)で確認し、受動免疫に用いる血清を採取した。採取した血清は、硫安沈殿の後、DEAEセファロースカラムクロマトによりIgG画分を精製した。得られた抗RLF IgG画分を21週齢(春機発動期)の雄豚に2週間隔で計9回、39週齢まで受動免疫処理を施し、RLFの不活性化モデルブタを作製した。なお、対照区のブタには正常血清から得たNormal IgGを同様に処理した。抗体価はEIA法でモニタリングし、免疫期間を通してRLFが不活性化されていることを示し、RLF不活性化モデルを確立することができた。2.RLF不活性化モデルブタの生殖細胞のアポトーシス制御機構の解析不活性化モデルにおいて、精巣のパラフィン切片を作製し、アポトーシスを示す生殖細胞をTUNEL法で解析した。その結果、不活性化モデルでは、精細管当たりのアポトーシス陽性生殖細胞の割合は対照区の4倍にまで増加していることが判明した。この生殖細胞の細胞死を反映するかのように、精巣重量は著しく減少していることが分かった。さらに、アポトーシス制御いんし、とくに促進因子としてBAX,とCaspase3を、一方、抑制因子としてBCL2とXIAPを定量PCR法で解析し、RLF不活性化モデルのアポトーシス制御機構が究明できた。
2: おおむね順調に進展している
とくに問題はない
当初計画に沿っておおむね順調に遂行しているので、今後も全力で本研究課題に取り組む所存である。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件) 備考 (2件)
Cell Tissue Res
巻: 362 ページ: 407-420
10.1007/s00441-015-2206-8
https://tdb.shizuoka.ac.jp/RDB/public/Default2.aspx?id=10880&l=0
http://scholar.google.co.jp/citations?user=r7xYS3EAAAAJ&hl=ja